
馬が・・・デカい。
ばんえい競馬を現地で見ると、真っ先にこの「デカい」という印象を持つのではないでしょうか。ばん馬は身長こそサラブレッドとそれほど変わらないのですが、体重はサラブレッドの倍以上! なんと1,000kgもあります。それも、ただ大きいのではなく、最大1トンの鉄ソリを曳いてレースをするとあって、体つきも“ガチムチ系”。最も近くで見られるパドックから圧倒的な迫力を感じさせてくれますよ。
北海道開拓の時代、農耕馬・使役馬として活躍した「ばん馬」たち。
馬の力比べがルーツである ばんえい競馬は、
ばん馬に重いソリを曳かせ、パワーと速さ、持久力を競う世界で唯一のレースです。
ばんえい競馬を現地で見ると、真っ先にこの「デカい」という印象を持つのではないでしょうか。ばん馬は身長こそサラブレッドとそれほど変わらないのですが、体重はサラブレッドの倍以上! なんと1,000kgもあります。それも、ただ大きいのではなく、最大1トンの鉄ソリを曳いてレースをするとあって、体つきも“ガチムチ系”。最も近くで見られるパドックから圧倒的な迫力を感じさせてくれますよ。
ばんえい競馬のコースには途中、高さが異なる2つの坂があります。最初の坂は止まることなく乗り越えていきますが、2つ目の坂は難関です。そのままでは体力が持たずに乗り越えられないので、どの馬も必ず坂の前で止まります。そこで息を整え、一気に登りきれるか。馬とジョッキーの呼吸と他の馬との駆け引きが最大のヤマ場ですので、ぜひ注目してください。
ばんえい競馬では、その年度の最終日に最高峰のレースである「ばんえい記念」を開催しています。すべてのレースの中で最も重い1トンの鉄ソリを曳き、その緊迫感と迫力は圧倒的です。見事に勝ち抜いた馬は、まさにばんえい競馬の“現役最強馬”といえます。今年度の開催は3/16(日)。ばんえい競馬は最終日まで目が離せません。
一般的な競馬は、第4コーナーを回り直線に入るとぐんぐんと加速し、一気に勝負が決まります。ばんえい競馬も第2障害を越えた直線の先にゴールがあるのですが、そこからの勝負がとにかく長い。大きな坂を乗り越えた馬たちは、体力も気力もギリギリの状態。鉄ソリを曳く力を振り絞るために、止まっては歩き、止まっては歩きを繰り返す「馬なのに牛歩!」な馬もいれば。「どこにそんな力を残していたのか!」と驚くほど力強く駆け抜ける馬もいます。ゴールは目の前でも、最後の最後まで勝負が分からない。それもばんえい競馬の面白いところです。
ばんえい競馬を楽しむには、やはり帯広市にある競馬場で観戦するのが一番。一般的な競馬では座って観戦するのが当たり前だと思いますが、コースが直線のばんえい競馬では、観客もスタート位置に立って、馬たちの走りに合わせてゴールまで一緒に歩くのが“あるあるのヒトコマ”。観戦の醍醐味の一つになっています。特に2つ目の坂を越えたゴールまでは、自然と応援に力が入ること間違いなし!ぜひ現地で一緒に歩いてみましょう。
ばんえい競馬の馬たちが曳くソリは「鉄」でできていて、その重量は何も積んでいない状態でも450kもの重量があります。その鉄ソリにレースごとに決められた重量のおもりをさらに積んで走るのだから、ばん馬ってすごいですよね。規定重量が最も重いのは、毎年3月に行われる「ばんえい記念」。その重さはなんと1トンで、5kgの米袋で例えると200袋分を曳いて走っているのです。
ばんえい競馬では、1口1万円でレース協賛を受け付けています。協賛すると、自分でレース名を付けることができ、実はばんえい競馬の面白さは、そのレース名にもあったりします。誰かの結婚記念日や北海道旅行の記念のレース名が付いていたり、帯広競馬場に来たら、その日行われるレース名もぜひチェックしてみてください。
ばんえい競馬は、ばん馬のたてがみも見どころの一つです。一般的な競馬とは違い、ばんえいではたてがみを三つ編みにしていたり、シュシュをつけていたり、とってもオシャレ。ギャル顔負けの髪飾りが付いている、とってもキュートなばん馬もいますよ。”なまらめんこい”ばん馬に会いに、ぜひ帯広競馬場に来てみてね。
ばんえい競馬で、競走馬が坂の前で止まるのは疲れてしまったからではなくて、むしろ逆。ばんえい競馬のコースは砂利道で、途中には大小2つの山があります。重い鉄ソリを曳いてその坂を越えるのには相当な体力と気力が必要で、そのための力をためるために騎手が馬を止めているのです。実は坂の前で、力をみなぎらせている馬たち。そこにもぜひ注目ください。
ばんえい競馬は、スピードとパワー、そしてスタミナも勝負を分けます。2つの坂を登った後のゴールまでの最後の直線。ここを一気に駆け抜けたいところですが、そこで力尽きて止まってしまう馬もいます。ばんえい競馬で、ゴールの直前に馬が止まるのは“よくある”話。 自分の応援していた馬が圧倒的な差で坂を越えてゴールを目指していても、気を抜かずに応援し続けましょう。
一般的な競馬は、馬の”鼻先”でゴールが判定されますが、ばんえい競馬は、それとは逆。ソリの後端のゴール通過で着順が決まります。ですから、馬の頭がゴールラインに入ったからといって一喜一憂してはいけません。ゴールラインの途中で止まってしまい、後ろから来た馬に負けてしまうこともよくあるのです。
一般的な競馬は、ゲートを出た後にゴールまで基本的に止まることがありません。ですが、ばんえい競馬は、最大1トンもの重量のソリを曳いて戦うレース。コースには2つの坂もあり、馬と騎手は息を合わせながら時には止まって坂を登る力を貯めてゴールを目指して歩く、世界でも唯一の走らない競馬なんです。